私はたまに患者さんに向けて「アルプスの少女ハイジ」のたとえをすることがあるんですね。
人間本来の在るべき姿というか、自然と人間、本当の幸福感や豊かさということを現代人は見失いがちと言いますか、お仕事や人間関係に悩む方がパニック障害になったり、アレルギーになったりするわけで。
そういった時に、ハイジが都会でホームシックに罹ったり、山に帰ると元気になったりというシーンの話をするのですが、要は、「あなたが今抱えている症状というのは、まったく現状の問題や環境から解放されて、アルプスの土地で数週間や数ヶ月過ごしていくと、おそらくいつの間にか解消しているよ」という内容の話をするんですね。
食べ物、水、空気、動物たちとの触れ合い、大自然の美しさ。
しょせん、今の現代社会の問題の多くは、本来の人間と自然の生き方とは遠く離れてしまった、いわば「無用の欲や決めつけ」「金や地位」に縛られ過ぎて、起きている諸問題だと言う事です。有毒な医療や食事などはそうしたものから派生したものですね。
美しい星空や澄んだ空気に触れる日々に身を置けば、イキイキとした生命活動は次第に戻っていき、勝手に元気になっていく。
現代の奇病や難病と呼ばれるものが、はたしてそうした環境下で起こり得るのか。私はノーだと思います。
まあ、そういったたとえをするんですね。
なかなか皆が仕事を辞め、大自然の中に身を置くということはできないでしょうが、視点としては、そういう視点をまず持つことが大切だと言いたいわけです。
何も、薬や大病院の検査やエリート医者のやることなすことに従わないと問題が解決しないわけではないですし、むしろ状況が悪化することだっておおいわけです。
そうではなく、どうして今の状態に陥っているのかをシンプルに突き詰めれば、本来の人間の在り方から逸脱しているからだと気づくはずです。
まずはそうした視点を持つことから、はじめてみましょう。