◎根本療法と対症療法の違いとは

●症状が起こる2つの意味

 

一般的に、痛み・炎症などの「症状」は、不快な感覚を伴うため、悪しきものとして思われがちですが、決してあなたを苦しめるために起こしているのではなく、「あなたの生命活動を守るためにやむなく起こした反応」という意味が隠れています。

 

症状が生じる理由としては、大きく分けて2つの意味があります。

 

  • 体を治したり浄化しようとしてやむなく生じる反応
  • 問題が生じていることを知らせ生き方や環境を変えてほしいと訴えるシグナル

 

例えば、アトピー。

通常は皮膚の病気として考えられがちなアトピーですが、実は皮膚の問題というよりも体内浄化環境の問題によりやむなく引き起こされた反応なのです。

 

何らかの理由で体内に老廃物(毒素)が溜まると、体は排便・汗・免疫機能など様々な形でそれを処理し、全身に有害な毒が巡らないように対処します。

しかし、体の機能が低下していたり、毒素の量が多すぎると、通常の処理では対応できなくなる為、イレギュラーな反応をやむなく起こし対処しようとします。

それが、

「皮膚から老廃物を排泄する」

と、いう反応です。

ですから、皮膚が問題なのではなく、体内環境に問題があるのです。

その他にも、

「菌やウイルスの力を借りて炎症を起こし老廃物を燃やす」

「咳や淡で呼吸器から出す」

「下痢や嘔吐で排泄する」

「体内の一部分にフィルターを作り毒素を溜める(ガン)」

「出血させて体外に排除する(紫斑、ガン末期の出血)」

などの方法が用いられますが、いずれも体内浄化のためにやむなく起こす反応です。

 

あるいは、食欲不振・胃痛・だるさを起こすことで、あまり食べられなくしたり動かなくする間に、体内浄化に力を注ぎ治癒を早めようとすることもあります。

 

解決方法としては、一刻も早く体内浄化環境を整え、皮膚から排泄する必要がなくなる状況を取り戻せばいいわけです。

これが根本療法の基本的な考え方です。

 

しかし、病院をはじめ、一般の人々は、「皮膚症状=皮膚の病気で悪いことだ」と捉え、皮膚からの排泄をステロイドなどの薬を使って封じ込めようとします。

これが対症療法の発想です。

 

事故などの外傷や大火傷などの場合、救急処置という対症療法が必要なケースがあることは確かです。

しかし、救急処置が必要なケースを除き、対症療法は漫然と長期間行うと弊害が出てきやすく、ステロイドや向精神薬などクスリの副作用で悪化していくことが多く見られます。

 

もちろん、根本原因は放置したままですから、蓋をしても次から次へと浄化反応(症状)やシグナルが出てきます。

 

クスリの毒素も相まって、ますます体内浄化環境は劣悪になっていくため症状も悪化しやすく、クスリの種類や量が増えていくループに陥ります。

 

 

 

●「火事と警報ベル」の関係

 

今度は「火事と警報ベル」の関係でみていきましょう。

火事が起こっていることを知らせてくれるのが警報ベルの役目です。

火(根本原因)を消しさえすれば警報ベル(症状)は自ずと止むのですが、多くの病院や治療院では「ベル音がうるさい」事を問題視し、耳栓(ぼやかす薬など)を処方してベル音を聞こえなくしようとします。

耳栓をしている間に火が自然に消えてくれればよいのですが、多くのケースで火はますます燃え広がり大火事になっていきます。

すると、またベル音が聞こえるようになり、

「もっと大きな耳栓を処方しましょう」

「違う種類のを試しましょう」

と、なるばかりか、音が大きくなりすぎると、

「ベルを壊して音が聞こえないようにしましょう(手術)」

と、いう手段を講じたりします。

こう例えると笑い話のように思えますが、これが今の医療業界で起こっている現実なのです。

 

あなたの痛みや不調を本当の意味で取り去るには、大元の火を消さなければなりません。

それには「どこに火事が起こっているのか」「なぜ火事が起こったのか」「どうすれば火を早く消せるのか」を知る必要があります。

ですから、逍遥堂では、あなたの不調を根本改善するために、問診・検査を大変重視しているのです。

 

 

※世の中には多くの治療院・治療テクニックが存在し、「根本療法」「根本原因は○○だ」と謳っていますが、実はそのほとんどすべては本当の意味での根本療法ではない「準根本療法」と呼べるものでしかありません。

(数多くの改善症例を誇る凄腕治療家や繁盛院の多くが、そのことに気づいていません。)

 

というのも、ほとんどの治療院のゴールが、「症状を解消すること=根本改善」だと信じ込んでいるからです。

「え?そりゃ症状が解消されれば全て解決じゃないの?」

と思われるかも知れませんが、改善したと思われた患者さんの多くは再び症状を再発させたり、別の症状が出てきたり、あるいは別の形(人間関係や金銭トラブルなど)で問題が生じたりするからです。

 

例えば、脊柱管狭窄症の痛みやしびれが解消された方にとって、筋膜調整や骨盤調整や姿勢矯正などのテクニックを用いて結果を出した治療家先生は神様のような存在でしょう。

私も、そのこと自体は素晴らしいと思いますし、患者様の健やかな人生は祝福したいところです。

しかし、その治療で根本原因だと示された「筋膜」「骨格」「姿勢」などは、本当の意味での根本原因から派生した二次的要因に過ぎないことを、治療家の多くが認識していません。

だからこそ、「俺がこの患者の難治症状を完治させた」「○○にアプローチする○○テクニックにより症状は治せた」と思っていても、暫く後にまたその患者さんが症状を再発させたり、別の症状に襲われたり、全く違うトラブルに巻き込まれたりするわけです。

治療家のほとんどは、一連の流れが生じたとしても、同症状や別症状という体レベルのトラブルならばまだしも、全く違う形のトラブルまでもが同じ根本原因によって起こっているなどとは思いもしません。

こうしてその人は、治しても治してもリピートする状態や、別のトラブルを解消できる人を探す依存状態に陥るわけです。

 

症状とは、

  • 体を治したり浄化しようとしてやむなく生じる反応
  • 問題が生じていることを知らせ生き方や環境を変えてほしいと訴えるシグナル

であり、生き方に問題があったり、深いネガティブな感情が放置され続けているために、同じようなトラブルを繰り返し引き起こしてしまうわけです。

その表現方法が、人それぞれ病気であったり、人間関係トラブルであったりするだけです。

 

この視点を持てば、いかに「筋膜こそがトラブルの根本原因だ」「痛みの原因である骨格や姿勢バランスを整え筋トレをすればいい」という考え方が、視野の狭い一時的な解決にしか結びつかないことを想像できるでしょう。

 

もし、この構図で流行っている院があるのだとすれば、それは治りきらない依存患者たちでリピートしているだけの状態に過ぎません。

凄腕な治療家による施術は、西洋医学の有害な対症療法よりは遥かに良いものでしょうし、症状を解消させる率も高いのですが、本質的な構図はやはり同じであり、「根本療法のように見えるが、実は深い意味では対症療法よりはマシな準根本療法」という位置づけでしかないのです。

治療家の多くは、「腕が良いので流行っている」「このやり方がベストだ」「根本治療だ」と信じ込んでいますが、そのループに疑問を持った患者はやがて離れていくし、別の形のトラブルで問題が表在化すれば新たな解決法を探し別の場所へと移るでしょう。

(だからこそ、繁盛して腕が良いとされる治療院なのに、延々と新規患者獲得のためにチラシを配ったり、ネット集客にお金をかけたりしなければならない。経営の勉強会に投資し、「カルテ数こそが」「リピートが大事」と教えられたとしても、やっていることは結局チラシやネット広告に金をかけることでしかなかったり、せいぜい新しいSNSツールを活用したりというものでしかない。)

 

当院の治療体系には、「生き方」「深い感情によるトラブルの繰り返し」を解決に導くスキルが中心に組み込まれており、本当の意味での根本原因へアプローチすることを重要視しています。

 

「準根本療法」ではない「本当の意味での根本療法」を目指しています。