「会社に行くため通勤電車に乗ると、動悸や呼吸困難が起きてしまう」
・・・といった症状でお悩みの方が当院へよく来られます。
このような方は、
などといった症状を訴えることが多く、病院で「パニック障害」と言われるようです。
症状を大きく3つに大別すると、以下のようになります。
①パニック発作
突然、強い不安や恐怖に襲われ、動悸・呼吸困難・めまいなどが現れます。
人によって強弱はありますが、「自分が死んでしまうのでは」というくらいの恐怖に襲われることもあるようです。
しばらくすると発作は治まりますが、また何らかのきっかけで発作が生じてしまうことを繰り返します。
②予期不安
パニック発作を繰り返すうちに、「また発作が起こるのでは?」という不安が募り、社会生活を送ることもままならなくなる状態です。
③広場恐怖
パニック発作を恐れるあまり、発作を起こしそうな場所や状況を避けるようになります。
助けを得られない状況や逃げられない状況、例えば、恐怖や不安を誘発しやすい電車などの公共交通機関、広い場所、閉ざされた場所、群集の中、車の運転、会議などを避けるようになる状態です。
そして、多くの方はまず心療内科・精神科へと足を運びます。
するとドクターから、症状に応じた「向精神薬」を処方されるのが常。
ですが、この一連の流れから、ますます状態が悪化していく人が数多くいるのです。
なぜか?
その理由は、大きく分けて以下の二つになります。
向精神薬は、いわば麻薬同然の機序で脳に影響を与えるため、大変毒性が強く、悪化したり依存性が高まったりします。
精神科・心療内科に通うと、いつまでたっても完治しない上、薬漬けになりやすいのはそのせいです。
中には、「薬を飲むと落ち着く」「症状がマシになる」という人がいるかもしれませんが、それは麻薬で脳をぼやかして、なんとなく症状がマシになったかのような感覚を覚えているだけです。
つらい症状の時、麻薬を使って一時的にぼやかせたとして、果たしてそれが根本解決につながるでしょうか?
根本解決にならないどころか、麻薬の毒性によりどんどん心身の状態は悪くなりますよね?
それと同じことです。
決して、薬を飲むことでパニック障害などの症状が根本的に治ることはありません。
会社を休んだり環境を変えたり、体がある程度危機的状況から離れている間に状態が落ち着いてくることはありますが、それは薬が治したわけではないのです。
パニック障害の症状の本質は、「今の環境をどうにかしてほしい」という体からのシグナルです。
仕事や人間関係など、心身が耐え難い状況になったとき、体はシグナルを発します。
これは最初、なんらかの軽度な症状として現れます。
しかし、多くの方がシグナルを放置したまま無理をし続けるため、体はさらなる強いシグナルを発します。
それが高じた時、ある段階で体は強いブレーキをかけて私たちの行動を止めようとします。
いわば、電気の使い過ぎで火事にならないようヒューズが飛ぶようなものです。
強制シャットダウンを体は防衛反応として行うのです。
当院では、病気と言われるものの本質が、
であると考えています。
風邪をひいたとき、発熱・下痢・咳・鼻水・食欲不振・体のだるさなどが起こるのも、すべては体を良くしようとやむなく起こす反応なのです。
菌を熱で殺したり下痢で下したり、老廃物を炎症として燃やしたり咳で出したり、すべては意味があって行っているのです。
食欲不振に陥るのも、消化吸収を止めることで回復作業に力を集中させたいからです。
だるさが起こるのも、動くのを止め休むよう促しているのです。
「火事と警報ベル」の関係を例に挙げてみましょう。
火事が起こっている(根本原因)から警報ベル(症状)で私たちに異常事態を知らせてくれているのです。
ベルを消すためには、根本原因である火を消す必要があります。
火が消えれば、ベルは自ずと消えます。ベルを鳴らす必要がなくなるからです。
ですが、根本原因である火を見ようともせず、
「なぜか分からないが、突然うるさいベル音が鳴りやまない。だから音を聞こえなくする耳栓(薬)を下さい」
と言って、耳栓をつけて音を紛らわしているのが、今の医療業界の姿なのです。
これは対症療法にすぎず、運よく自然に火が消えてくれない限り、ますます火は大きくなるため、どんどんベル音も私たちに知らせようと大きくなっていきます。
すると、また、
「さらに、ベル音が聞こえるようになってきた。もっと大きな耳栓はないのか?」
と、薬の量を増やしていきます。
そして、どんどん燃えさかっていくわけです。
つまり、パニック障害とされる症状の数々も、すべては体の防衛反応としてやむなく起こっているわけで、ある意味ではあなたの生命を守るためにブレーキをかけようとしている味方なのです。
それに目を背け、薬でごまかしてどうにかしようとするから、どんどん訳の分からない状態に陥ってしまうのです。
パニック障害の本質が「ブレーキ」である以上、まずはその声に耳を傾ける必要があります。
なぜ、体はあなたをそのような大きなベル音で止めようとしているのか。
何を体は訴えようとしているのか。
体は意味もなくそのようなシグナルを発しません。
必ず、あなたの無理が原因となってそのようなシグナルを発しています。
そして、その原因をしっかりと見極めたうえで、以下の選択を考えていきます。
①環境を変える
分かりやすく言えば、いやな仕事をしているなら、その仕事から離れてしまうということです。
(極論すれば、都会を離れアルプスの少女ハイジのようなアルムの山や南の島に移り住むということです。)
いわばブレーキをかけている原因から完全に離れてしまうことで、体からのシグナルを解除するというわけですね。
といっても、なかなかこうしたことを実行するのは難しいと感じられる方も多いでしょう。
②環境に対する自身の考え方・捉え方を変える
例えば、同じ困難な状況を前にして、一人の方は、「これは自分を成長させるいい試練だ」と前向きにとらえ、もう一人の方は、「なぜ自分ばかりいつも困難な目に遭うのか」と悲嘆しているとします。
前者と後者では同じ状況に対して全く違う視点を持っているため、そこから生じる考えも行動も結果も違ってきます。
ただ、これに関しても、なかなか在り方を変えられないという方が多いようです。
③体を整えることで脳の警戒信号を解除させていく
お勧めしたいのが専門家のサポートを受けながら改善させていく方法です。
詳しい問診・検査を通じて、どこに根本原因があるかを導き出し、施術による調整を行うことで体を整えていきます。
さらに、施術のみならず食事など日常の在り方を改善することが大切になります。
体が乱れていると敏感な状態になるため脳の警戒はなかなか解けませんが、体が整っていくと脳の警戒は次第に解除されやすくなっていきます。
さらに、当院では感情面へのアプローチを加えることで、より深いレベルでの根本原因を解決することが可能となっています。
根本原因へアプローチすることで、パニック障害のつらい症状も改善へと向かいます。
当院には、パニック障害に悩まれる方が多く来院され、改善されています。